これから目指したいと思う方にとって,気になるところだと思いますが,現状では決して恵まれているとは言えません。多くの臨床心理士は,非常勤を掛け持ちしているという状況です。非常勤の契約は,多くの場合1年単位の更新で,場合によっては「契約更新は○年以内」という条件があったりするので,非常に不安定です。また,非常勤では職場の福利厚生も限られますし,確定申告をするケースも多いです。
 このような状況ですので,「安定した就職」を優先して考えられている方には,臨床心理士はオススメできません。また,心身にとってもハードな仕事なので,不安定でも苦労が多くても,「こころの専門家」として働くこと自体に意味を見出せる方でないと,なかなか続かないのではないかと思います。あと,なぜか社会的ステータスが高いという幻想を持たれる方もいらっしゃいますが,自己満足を別にすれば決して高いとは思えませんし,ステータスというなら弁護士とかの方がよっぽど上だと思いますので,そちらをオススメします。臨床心理士は,黒子というか縁の下の力持ちというか,そういう存在です。