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Blogger's Avatar  2012-4-22 1:21
 今年に入ってから何かと忙しく,ブログが遅れがちですね。お待たせしてごめんなさい。長文を構成しながら書くだけの時間を取るのがなかなか難しくて,今回も分割で書いたような状況です。Facebookやツイッターの方では,短いながら日々何か書いていますので,よかったらそちらも見てみてくださいね。今回は,いわゆる五月病について書いてみたいと思います。
 「五月病」という病気があるわけではないんですけど,まあ一般にGWを過ぎた頃から会社や学校に対してやる気が出ないとか気持ちが落ち込むといった症状を経験することが多いです。精神科や心療内科に行った場合,主に「適応障害」という診断名がつくことになると思いますが,新しい環境のストレスが蓄積されて5月ぐらいに症状として出てくるというのが一般的な考え方でしょう。あと,新入社員などは研修機関などがあるので,少し遅れて症状が出る傾向が多くて,「六月病」とも言われるようです。新奇場面という言葉を使ったりしますが,もともと新しい環境が苦手とかなじむのに時間がかかる人などは,注意が必要です。また,新しい環境に対して過度の期待を持ったり理想のイメージを抱きすぎる人も,現実とのギャップが大きくて,「こんなハズじゃなかった」という感じでふさぎ込んでしまうことが多いので,自分の今までの不調な時期があれば振り返って,自分の陥りやすいパターンを見つけておくことも予防になります。
 もう一つ,日本に特有の事情としてはゴールデンウィークの時期がリズムを崩すという場合があります。アメリカなどでもブルーマンデーという言葉がありますが,多くの人は休みの後の月曜日に会社や学校に行くのが憂鬱になりやすいことを経験しているのではないでしょうか。もちろん,お休みの日に心身を休めたりリフレッシュすることは大切なのですが,楽しい時間の後に何かとストレスを感じやすい会社や学校に行くことを考えると,イメージの落差が大きいので憂鬱感が大きくなりやすいですね。それで,GWなど長い休みの後では会社や学校に行くという1週間のリズムが狂いやすいので,それもストレスとして加わることになります。ワーカーホリックなどと言われる,いわゆる仕事人間の中には,このリズムが狂うことを嫌うタイプの人が割合いらっしゃいます。回遊魚みたいなもので,休むとかえって調子が悪くなるという人です。会社や学校が楽しくて,それがある方がストレス解消できるというタイプの人もいますから,休日に休むことがいいとは限らないんですね。このように,一人一人のタイプによって乗り切り方は違ってきます。
 いわゆる五月病ひとつとっても,その人の陥りやすいパターンというのはそれぞれなので,一概にこの方法がいいとは言えなかったりします。カウンセリング/心理療法の仕事は,クライエントさんのタイプやパターンにあった援助方法を考えるということも大切な部分です。そのために,生育歴を現病歴を聴いたり心理テストをやったりして,クライエントさんをより深く理解していくわけですね。遠回りなようですが,万能な理論や技法があるわけではないので,クライエントさんに合った理論や技法が見つけられれば,その分有効に働くので効率よく改善することが可能になります。また,自分のタイプやパターンを理解していけば,次のストレスに直面しても予防がしやすくなるはずです。

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