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CPブログ - 「中間領域」の重要性

「中間領域」の重要性

カテゴリ : 
臨床心理士(CP)ブログ » 研究関連
執筆 : 
Blogger's Avatar  2012-9-26 3:08
 学会発表の準備やその後の心理的負荷の高い出来事などを経て,少し遅い夏期休暇を取っていたのですが,放心状態ですっかりブログの更新が頭から抜けていました。お待たせしてしまった方,本当にごめんなさい。学会発表は110人を超える来場者があり,時間配分はあまりよくなかったのですが,建設的な意見などもいただいて,言いたかったことも比較的言えたと感じられて満足でした。ご来場いただいた方に感謝しています。今回は,その学会発表の準備の過程で着想が広がった,「中間領域」という概念について書きたいと思います。
 今回は,発達障害の診断も出ている児童の事例について発表したんですが,「移行対象」と呼ばれるものや,そこから派生するもののひとつと考えられる「想像の仲間」ということを中心に考察しました。5年連続となった発達障害へのプレイセラピーの発表の中で,この「想像の仲間」を取り上げたのは1回目に当たる2008年の学会発表の時以来ですが,その時は描画の表現としての分析にとどまり,中心的に取り上げていませんでした。でも今回は,ぬいぐるみという形で「想像の仲間」が重要な役割を果たしていたために,考察の中心に置かれたことで,「移行対象」やその背景にある「中間領域」という概念をもとに考察していきました。今回は,何かこれまで取り組んできたテーマの集大成となるのかなという感覚で準備を進める中で,5回の研究発表をつなぐ中心軸ができたような感じがしています。
 これらの用語は子どもの心理療法の分野では有名な,ウィニコットの理論の中で重要な位置を占めていると言えます。一番身近なのは「移行対象」で,例えばスヌーピーの登場人物でライナス君が毛布をいつも持っているのですが,その毛布が「移行対象」として挙げられます。簡単に言うと,母親への愛着を基盤にして,母親と離れている時の心理的安定のために必要なものを「移行対象」と言います。母親との関係の中で,母親イメージが内面化されて心理的安定がもたらされるようになると,「移行対象」は一般的にその手を離れますが,成長してからも主に内的イメージの中に広がりを見せます。そのひとつが「想像の仲間」と呼ばれて,自分の心の中で想像した友達やもう一人の自分のような,慰めや相談相手といった役割を担うものをいいます。この「移行対象」が生み出されるのが,主に母子関係の中で,融合して自他の区別がない世界から,母親と自分という,外界と内界が分離していく過程で重なり合っている部分で,それを「中間領域」と呼んでいます。毛布は,外界にあるモノですが,内界ではそこに母親イメージを付与しています。外界と内界の両方の意味を併せ持つという意味で「中間領域」という名前がついています。
 この「移行対象」は,子どもが母親との融合的一体感を残す「中間領域」の産物であり,子どもが母親から自立していく過程を支える最初の段階で特に重要な役割を果たします。「移行対象」を子どもの意志に反して取り上げたり失わせると,後に成人に至るまでも重要な心理的障害を残すと言われるほどです。僕の場合は,寝る時に首回りにあるバスタオルでしたが,それを洗われて手放した時も大泣きして手がつけられなかったと母親に聞きました。それは,極めて一般的な現象として報告されていて,子どもにとっては自分の支えになる母親との融合的一体感を取り上げられるように感じるのでしょう。この「中間領域」は,前思春期の10歳前後によく見られる「想像の仲間」の住む世界や,大人になっても何らかの慰め(癒し)として芸術領域への指向などの形で残っていきます。反対に,「中間領域」が何らかの形で空洞化したり破綻したりしてうまく機能しないことが,精神疾患や精神症状の背景になっていることが充分に考えられます。そして,発達障害においても,心の構造として考えると,この「中間領域」の機能不全が大きく関与していると考えられますし,プレイセラピーも「中間領域」に働きかけるという意味で有効に働きうるということになるのです。

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コメント一覧

CPmorita  投稿日時 2017-9-27 17:03
投稿ありがとうございます。承認とお返事が遅くなってしまい,ごめんなさい。

移行対象は,大切だと思いますが,確かに研究としての難しさはありますね。自分自身の移行対象というのは,無意識的な側面が大きいのと,幼少期のことが多いので振り返ってもあまり出てこない人がいるように思います。

母親の方は,比較的よく覚えていたりしますので,語りを聴くなら,母親が子どもに小さい頃を語るという流れの方がいいかもしれませんね。

移行対象で例に挙げやすいのは,「スヌーピー」のライナス君のブランケットでしょうか。世代によるかもしれませんけど。僕は,寝るときのバスタオルを離さなかったそうです。
uinikotton  投稿日時 2017-9-9 10:28
はじめまして。

私は、社会人大学生として、「移行対象」をテーマに卒論研究をしております。
・青年期までの移行対象の変遷過程
・移行対象を通してみる親子関係
・親にとって移行対象とは。子にとって移行対象とは。いち家族の移行対象への振り返りと想起がもたらす影響
など、事例・ライフストーリー・ナラティブなどの観点からテーマをより深堀したいと考えている段階です。
移行対象とは実に壮大なテーマですが、研究領域はそれほど多くないばかりか、移行対象という用語さえ説明しなければ一般のかたには浸透していない事実に出会います。
文献を読み進めるうちに、様々な疑問や発見との出会いの連続です。
どうぞよろしくお願いいたします。
ゲスト   投稿日時 2013-12-27 21:35
回答をありがとうございます。

30歳を超えても「社会経験が乏しい」と言うのもまた問題ですね。

彼女は母親との結束が強そうです。何かにつけ母親が出てくるので、「それが許される環境できたので子どものまま」は一理あると思います。
本人だけの生活、又は彼女と彼女の両親だけの世界では、バランスを取って、日常生活に支障が出ていなかったと思います。

しかし、相当の迷惑とまではいかなくても、他の人には迷惑と理解不能な個所があるので、今後どうしたものかと頭を抱えています。接している側が、頭と心がおかしくなりそうです。
何とか解決出来ないか、今は見えていない希望の光を探してみます。
回答をありがとうございました。
CPmorita  投稿日時 2013-12-23 23:24
質問ありがとうございます。

一般論としては,移行対象は青年期を経て形を変えていくのが普通ですので,そのままの形で残ることは少ないです。ただ,移行対象を残しつつ,日常生活は普通に過ごしていることもあるので,残っていることが異常とまでは言えません。それでバランスを取って,日常生活を送るのに支障が出ていなければ,臨床的には問題ありません。

お会いしていないので何とも言えませんが,発達障害というよりも,情緒面で未発達なのかなという感じです。その未発達さによって本人が日常生活に支障を感じて何とかしたいと思ったり,周囲に相当の迷惑がかかるというということであれば,心理療法の対象になります。なお,ある程度それが許される環境できたので子どものままということもありますので,大きな支障がなけれずっと年齢を重ねる人もいます。社会経験の乏しい女性ですと,特に稀というほどでもありません。
非常に困っております   投稿日時 2013-12-23 21:07
こんばんは。検索して、盛田さんのこのページに辿り着きました。「中間領域」について質問があります。
「移行対象」が30歳を過ぎても残っている事は普通ですか?それとも何か発達障害などを疑った方が良いですか?

実は、私の知人(30歳前半の女性)は、2〜3歳頃に両親からもらった人形を抱いて未だに一緒に寝ています。○○ちゃんと名前も付いています。
その人形は、ふわふわ柔らかいぬいぐるみではなく、ままごと人形の「ぽぽちゃん」や「メルちゃん」のような人形です。
自分が起床後は、その人形にきちんと肩まで布団をかけて寝かせています。
その人形と一緒に寝ている事を、他の人に楽しそうに話したり、○○ちゃんだよと紹介するので、本人は変な事と思っていないそうです。

人形以外にも、彼女が泣く時は、まるで幼児のように「え〜ん、え〜ん」と声を出して泣きます。

一般的な感覚では、どうしても「30歳も過ぎているのに」と驚きますが、このようなケースは多いのでしょうか?それとも何か治療が必要なのでしょうか?
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